- 投稿 2018/04/03
- NZ生活
ニュージーランドではよろしくない体験もありました。
それでも、この国は本当にすばらしい、と思う面もたくさんあるのです。
まず、なんといっても、空気がきれい。
空の色もきれい。
青というより、真っ青です。
海ももちろん美しい。
日本の本島の大部分の海は、海じゃないと言えるほど。
この国の自然の美しさは半端ないンです。
でも、これらの価値を保つためには、放っておけばいいってものではありません。
観光大国でもあるので、そのウリである自然を守るため、法律もきびしくなります。
もちこみ禁止の植物や、トレッキング用の靴の土なども、ひとつ間違えば自然破壊につながるということで、とても厳格に守られています。
そんななかで、私が気に入っている法律があるんです。それは・・・
それは、木を勝手に切ってはいけない、ということです。
例え自分家の木でも、許可がいるんです。
日本とは、ずいぶん違っています。
ところで、昨日、所用で、大阪の親戚の家に行ってきました。
そのとき、子どもの頃からよく知っている場所で、ある会社の寮のあったところが更地になっていました。一般住宅として売りに出されるようです。
その寮の敷地には、桜の木が何本もあって、毎年、春には、美しい桜並木を見せてくれていました。
敷地の端の方にあったので、この桜は残しておくのかなあ、その価値あるよなあ、なんて勝手に描いていたのですが、
今日みたところ、全てきれいに切り倒されていました。。
土地が新しい持ち主になったのなら、持ち主がどうしようが、それは持ち主の自由です。
でも、本当にそうなんでしょうか。
木は、ニンゲンのものなのでしょうか。
ニュージーランドでは、ここが違います。
木は、例え個人の家に生えているものであっても、勝手に切ってはダメなのです。
木は、景観を美しくします。
その美意識は人それぞれです。
ですが、木は、二酸化炭素を吸って酸素を輩出し、ときに公害を吸い取り、知らず知らずのうちに、ニンゲンの生活の役にたってくれているのです。
少なくとも科学的にはそうです。
木は、その木陰で人を癒します。
緑豊かな色彩で、人の心を鎮めてくれます。
安らぎを与えてくれます。
木は、小鳥や虫を育てます。
花や実をむすんで、彼らに栄養を与えます。
そして、木は、夏の気温を低下させ、土壌の流出を抑えたり、土砂災害の未然防止に役立っています。
大気の循環にも必要なもので、地球温暖化防止にもその役割は大きいのです。
なのに、
木は、1年や2年で大きくなるものではありません。
ニュージーランドの太陽光は強いので、
植物の成長は驚くほど早いのですが、それでも、大木が一度切られてしまうと、次に同じだけの木を育てようとするなら、何年もかかることになります。
・・これ、実は、少女だった頃の私がずっと思っていたことでした。
とはいえ、大人になれば、オトナの事情もわかります。
資本主義社会の構造も理解できます。
でも、そんな世界のなかで、木を勝手に切ってはいけないという法律のある国があったなんて・・・
すごい、
すごすぎるよ、ニュージーランド!!
たとえ、枝一本切るのにも許可がいるので、ぶうぶう文句をいいたくなるときがあるのだとしても、その価値はあると思うのです。
ニュージーってすばらしいと思います。