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奈良公園周辺で、毎年、8月前半に行われるのが「なら燈花会」です。
奈良に住み始めて半年が過ぎました。この「なら燈花会」へ、私が初めて訪れた様子をお伝えしたいと思います。
今年で20周年になる「なら燈花会」、「なら・とうかえ」と呼ばれています。
いわゆるキャンドル・ナイトのようなもので、一客ずつ、人の手によって点灯されていく、奈良の夏の人気イベントです。
派手さはなさそうだけれど、お盆という時期もあって、おごそかな気分になるのかな?と想像しながら出かけた私ですが、これが、とてもとてもロマンチックでイイ雰囲気だったんですよ!
場所は、奈良公園周辺の、いくつかの野外会場内です。
今年は、「興福寺会場」「猿沢池と五十二殿会場」「浮見堂会場」「浅茅ヶ原会場」「奈良国立博物館前会場」「東大寺鏡池会場」「春日野園地会場」「浮雲園地会場」「春日大社参道会場(本殿近く)」などがありました。
私が訪れた会場は、太字にしています。
会場への最寄り駅は、近鉄奈良駅。JR奈良駅からなら、バスも出てますが、歩くことも可能(猿沢池まで約20分)です。
駅の改札を出たところで、このイベントの案内パンフレットを無料で配っている人がたくさんいるのが目に入ります。私も、一部いただきました。
このパンフの案内に沿って、駅から、まずは「猿沢池」を目指しました。
点灯は、午後7時です。私が駅に着いたときは、すでに6時50分にはなっていました。
そこから、猿沢池までは、5分ほどのはずですが、けっこう人が多くて、いつもほどのスピードを出して歩けません。とはいっても、祇園祭などほどの人混みではないです。。
猿沢池では、池をぐるりと囲んで、人々が点灯を待ち望んでいました。なかなかな数の人です。近寄っていくと、警備員のおじさんが、観光客の一人に話しているのが聞こえました。
「毎年、ここで待ってる人も、点灯し始めて20分も経つと、『こんなもんか』って感じで、すうっと引いていくんだよね」
この言葉から、大体の状況は予想されます。。その20分後に、わらわらと道が急激に混むことを恐れて、点灯を待たずに池を離れることにしました。
少し離れたところから撮った、猿沢池です。
猿沢池の北向かいに、興福寺があります。こちらも燈花会の会場の一つのようでした。
興福寺の会場へ向かいます。
興福寺の境内に少し立ち寄ってから、春日大社の一ノ門へ向かいます。途中、「順路」という張り紙を見つけて、その指示に従うことにしたからです。
一ノ門から、春日神社の参道に入ります。この参道では、ずらりと屋台が並んでいます。おいしそうなお店がたくさんありましたが、暑さもあって、立ち寄らずに歩を進めました。
途中、「浮見堂」の案内看板をみつけます。
そのまま、まっすぐ春日大社へ向かって、浅茅ヶ原(奈良公園内)に行くか、看板に従って右に折れて、浮見堂に立ち寄ってから浅茅ヶ原会場へ向かうか、どうしよう。。
私は、後者を選びました。
浮見堂へ向かう人の波に乗りながら、暗くなってきた道を歩きます。ふと、暗がりの向こう側に、ちらちらと、灯火のあかりが見えてきました。
まるで、ヘンゼルとグレーテルが森の中でお菓子の家をみつけたときのような感じ、というのでしょうか。
暗闇のなかに、幾つもの、ともし火がちらちらと見え隠れするさまは、不思議な妖しさと美しさを放っていて、異世界へいざなわれているかのような気分になりました。
あの灯りは、おそらく浅茅ヶ原(公園内)のものでしょう。そこへは後ほど訪れるとして、さらに先を進んでいきました。そうして辿り着いたのが、「鷺沢池」です。
やはり、池の周りをぐるりと灯火がめぐらされています。左手に見えるのが、「浮見堂」です。
こちらの鷺沢池では、提灯付きの貸ボートも出ていて、幻想的な雰囲気を醸し出しています。それを眺めながら、池のまわりを歩いていって、浮見堂の方へ近づいていきました。
浮見堂近くになると、人混みが多くなりました。今夜はちょうど最終日なので、そのせいでしょうか。それとも、いつもこれほど混むのでしょうか。
とはいっても、神戸のルミナリエほどではありません。浮見堂の橋を渡る数分だけ、歩がのろのろと遅くなる程度です。
というのも、この橋からの風景が、絶好の撮影スポットだからです。
たくさんの人が、橋の手すりに寄って、シャッターを押しています。警備の方も、声をかけて注意を促しています。
そんな少々騒がしい状況でありながら、それでもこの光景は、一見する価値があると思います。
なんといっても、ロマンチックなのです!
ちょうど、西の空には、月と金星も輝いていました。まだうっすらと明かりも残っている西の空と、池に映った灯りの美しさといったら。。そう、点灯直後のこのくらいの時刻(午後7時から7時半)に行くのが、おすすめです。
奈良平城京といえば、唐文化、当時の中国の影響を色濃く受けている時代です。
この浮見堂自体は、明治に出来て、その後再建されたもののようですが、夜の暗闇のなかに浮かぶランタンの灯りは、奈良の都らしく、どこか中国の王朝文化という雰囲気が醸し出されているように感じました。
この橋を渡って浮見堂を過ぎ、奈良公園内の「浅茅ヶ原」へ続く道を行きます。
この浅茅ヶ原会場の燈明もきれいです。ですが、浮見堂を見た感動の方が大きかったです。
そこから、春日大社の二の門へ向かったり、東大寺方向に向かっても、会場はあるのですが、浮見堂の灯りの感動を胸に、この夜はここまでにして、参道の屋台を冷やかしながら、来た道を戻りました。
なんとも美しい夜でした。来年もまた行ってみたいと思います。
まとめ
今回、私がたどった道順は、以下の通りです。
①近鉄奈良駅→②猿沢池→③興福寺境内→④春日大社一ノ門から参道へ→⑤鷺沢池と浮見堂→⑥浅茅ヶ原(奈良公園)→⑦再び参道から駅へ戻る
所用時間、約1時間でした。
なお、開催時期は8月5日から8月14日迄でした(2018年)。
会場の全体図です。
次回は、東大寺周辺の会場にも行ってみたいと思います。