- 投稿
- 奈良ライフ
垂仁(すいにん)天皇陵は、古墳ファンには人気が高く、一度は訪れてみたい場所です。
古墳の周りには、お濠がぐるりとめぐらされていて、東側には遊歩道もあります。
ただ、表示などの看板が見づらくて、道に迷う人もたまにいるようです。
今回は、忠臣・田道間守(たじまもり)と非時香菓(ときじくのかくのみ)の伝説もある、この垂仁天皇陵について、お伝えしたいと思います。
先日、私がパートに行こうとしていたときのことでした。
時間がなく、とてもあせっていて、自転車を必死でこいでいました。。
ちなみに、このときの勤め先は、長屋王邸宅跡地の商業施設内にありました。
https://beauty-kireininaru4.com/nagayaou-prince/
そうやって、古墳まわりの道を自転車で走っていると、リュックを背負って歩いていた初老の男性が、話しかけたそうにこちらを見たのです。
やばい。。相手できない!!と思った私の毛色もそのままに、その男性は、たずねてきました。周囲には、ほかに、歩いている人も、自転車の人さえいなかったんですよね。。
「この先、ぐるっと、古墳をまわることはできますか?」
それが、できないんですよね。
男性が歩いているのは、西まわりの道でした。この道の先は、住宅街へと続いていってしまいます。
正確にいえば、その住宅街を越えてから、よそのお宅の畑に入り、広い畑を突っ切れば、一周できないこともなくはないのかもしれないのですが、それは普通にはムリですね。。
でも、東まわりで歩けば、とても細いながら遊歩道になっていて、その先には唐招提寺へ続く道もあるのです。
しかし。
そのときの私には説明する時間がなく、もっといえば、心の余裕がありませんでした。
それで、「こっちは、行けません!ごめんなさい!」と、応えるだけ答えると、いそいでいるんです、とばかりに、そのまま自転車を止めず、ハイスピードをキープして通り過ぎてしまいました。。
ごめんなさい。
やっぱり。ちょっと立ち止まって、教えてあげればよかった、と、後悔しました。。
そんなわけで、前置きが大変長くなりましたが、この記事で、ご説明しようと思い立ちました。
①東周りの遊歩道なら、拝殿まで行ける
近鉄・尼ヶ辻(あまがつじ)駅から5分足らずで、垂仁天皇陵の前方後円墳の「後円」にたどり着くことができます。
駅の西側に降りて、細い道路を進み、道案内に沿っていくと、こんもりとした緑の森の古墳が見えてきます。
舗装道路をそのまま西へ進むと、住宅街の方へ行ってしまいます。
私が、上記の男性にたずねられた道です。
なので、この西への舗装道ではなくて、東の、細い細い土道の遊歩道に沿って歩くと、古墳正面の拝殿まで行くことができます。
以下の画像でご説明しましょう。
駅から続く道を左に折れて、古墳へ続く舗装道を進むと、この「唐招提寺」と書かれた、石碑が出てきます。これを見つけたら、その先が遊歩道です。
②遊歩道は土の道
下記の画像は、上と同じものですが、赤いラインが遊歩道になります。
草が茂っていて、見にくいので注意が必要です。
遊歩道の入口は、こんな感じです。
ここ、ホントに通れるの?って思われるかもしれませんが、大丈夫、通れます。
ただ、雨の後などは、少しぬかるんでることもあります。
泥がつくこともあるので、靴にはご注意ください。
とはいえ、ちょっとステキな小道です。
途中で立ち止まって、写真を撮りたくなるような、懐かしい気持ちにさせてくれる風景なのではと思います。
③お天気、時期によっては、鳥の群れも見える
この古墳、本当に、鳥が多いんです!!
今なら、シラサギが群れていますし、少し前ならアオサギやカワウなどがいました。
そして、すごい数なので、鳥の声も動物園なみです。
動物園のなかの、何かの猛獣のオリの前にいるような気分にもなって、なかなか面白いですよ。
ちょっと見にくいですが、白い点々になってるのは、シラサギです。
彼らが飛び回っている姿も興味深いです。
④拝殿までは歩行可能
この遊歩道は、一度、舗装の車道に出ます。
そのまま、車に気を付けて、古墳を右手に見ながら進んでください。
「仁徳天皇 菅原伏見東陵」の表示板が出てきます。
なぜ「菅原」なのかは、こちらをどうぞ。
https://beauty-kireininaru4.com/sugawarajinjya-shrine-popular/
砂利道を進んでいくと、拝殿に着きます。
ちなみに、拝殿の向こうは畑が広がっていて、先へは行けません。
冒頭に申し上げたように、西まわりは出来ないんですね。
また、お手洗いはありません。駅ですませていってください。
遠くからみた、拝殿です。
⑤小さな島は、田道間守命塚
ところで、遊歩道を歩いていた後半くらいから、お濠のなかに、小さな島が見えてきます。
これが、田道間守命塚です。
田道間守(たじまもり)は、垂仁天皇に仕えた人で、天皇の命により、常世の国へ、非時香菓(ときじくのかくのみ)なるものを見つけに出かけます。
これは、中国南部からインドにかけての地方へ、橘(たちばな)を探しに行ったということのようです。
9年後、田道間守は無事に橘を持ち帰ってきます。
また、垂仁天皇陵は、江戸時代に盗掘にあっていて、今はもう中には何もないようです。
④まとめ&ちょっと付け足し
垂仁天皇陵についてのご案内、いかがでしたでしょうか。
・東まわりの遊歩道を歩くこと。
・土道なので、泥には注意。靴も注意。
・たくさんの鳥が見られるかも。
・田道間守の小島がある。
・拝殿まで行くことができるが、その先へは行けない。
また、砂利道の入口から南へ向かう道は、唐招提寺へと続いていて、歩いて15分足らずで着くはずですので、ぜひ散策されることをおすすめします。
唐招提寺から薬師寺までもすぐ近くです。
さて、垂仁天皇陵の西向こうには、生駒山が見えます。
雲がきれいです。
奈良は、空が広くて、雲がきれいなところも気に入ってます。
私に、ニュージーランドを思い出させてくれたりもします。
お濠の水も、こんなにきれいに見えるときもありますよ。
西まわりの道も、引き返すことを前提に、少しだけ歩いてみるのもいいかもしれませんね。