お雛祭りの翌日に、梅を見に出かけました。

 

ポカポカ陽気の日のことです。

 

万葉の時代から、奈良で愛され続けた梅の花。

菅原道真も愛した花としても有名ですね。

 

奈良市内にも、奈良公園の片岡梅林、

中町の追分梅林、学園南の大和文華館、

月ヶ瀬梅林などがあります。

 

ですが、私は車を持っていないので、

できるだけ近場で、

自宅から、自転車か歩いていけるところを探してみました。

そうして選んだのが、薬師寺でした。

 

現在、薬師寺の東塔は、大規模改修工事中ですが、

いくつかの特別展をしていたりして、

見どころ満載の人気観光スポットです。

若い女性にも、

こちらの本尊である、薬師寺如来さまは人気があるそうです。

 

ただ、

有名な吉祥天女画像については、

オリジナルはお正月三が日のみ公開、

平成版もその後の1月15日までの限定公開とのことで、

レプリカなら見られると思っていたのがかなわず、残念でした。

 

ですが、東院堂に祀られている、

聖観世音菩薩像をじっくり拝観することができました。

こちら、白鳳文化のものということですから、

奈良時代より前に作られたものでしょう。

 

ちなみに、時系列としては、

飛鳥文化→白鳳文化→天平文化となります。

白鳳とは、時代の名前ではなく、

天武天皇とその后・持統天皇の時代の文化になるようです。

 

この仏像、

きりっとしたお顔だちと、流れるような衣の優美さに、

そこはかとない知性と慈愛が感じられる上に、

若々しいパワーもふつふつと発しているんです。

成熟していて、なおかつ若い、というのは貴重ですよね。

 

アラフィフだからといって、

老けこまず、嘆かず、前向きに、

まさに「人は成熟するにつれて若くなる」(ヘルマン・ヘッセの著作タイトル)、

これでいかなきゃ!!と勇気づけられました。

 

 

さて、梅です。

「金堂」の奥にある、「大講堂」の、

さらに奥に、梅の木が何本か植えられていて、

シャッターを押している観光客もちらほらいました。

でも、

整然と並んで植わっているので、

それが逆に物足りない感じもしました。

 

そこから北へ移り、

一度、境内から出て、「玄奘三蔵院伽藍」へ向かいます。

 

その受付入口手前に、

ちょっとした梅並木がありました。

 

この並木道、紅白の木が交互に植わっていたりして、

短いながら、見ごたえあるんです!

 

ちょうど満開のタイミング、

あまりにきれいなので、

紅白梅を背景に、自撮りをパチリ。。

 

しまった。

 

・・・でも、

自分の顔はともかく、

青い空と、紅白の梅の花々は、

晴れやかな気分を誘う、鮮やかな彩色でした。

 

薬師寺の最寄り駅は、近鉄・西ノ京駅になりますが、

一つ北の、尼ヶ辻駅までの道も、風情があっておすすめです。

線路の西側の道を歩けば、途中で、橘の木の育成地もあり、

垂仁天皇陵に行きつきます。

そして、

誰もいない野原のなかで、

道すがら梅の木に出合えたりもしますよ。

 

春の勢いを感じられる、梅見トリップでした。