以前、ニュージーランドで3年過ごしたことがあります。
楽しいことばかりではありませんでしたが、ここで暮らした経験から、これから先の人生を歩んでいくために、得たこともたくさんあります。
その一つ。
以前と比べて、ぐっと「ラクな気分を持てる」ヒントを見つけることができました。
今回は、そんな体験をお伝えしたいと思います。
日本人について、よく言われる事のなかに、勤勉で、まじめで、時間に正確だけど、自己主張をしない、というのがあります。
決して、本当に、自分を表現しない、というわけではなく、和をもって尊し、とか、
調和を愛する民族性があるのでしょうね。。
物事を婉曲に言うなど、独特の文化があるように思います。
ただ、この美点も、度が過ぎてしまった場合は、息苦しさを感じることもあります。
他人の目を気にしすぎてしまう。
これをしたら、どう思われるか、何を言われるか、そんなことを気にしてしまう「クセ」がついてしまって、これが、今度は「カセ」になってしまうことがあります。
苦しいですよね。生きづらいです。
私、京美も、これをシンドイと、思っていたクチでした。
だから、海外に行くと、そんな慣習を取っ払うことができると思っていました。
旅の恥はかき捨て、ではないけれど、自由にのびのびと、言いたいことを言えるんじゃないかと、勝手に空想していました。
ですが、長年の習慣は、やっぱりなかなかとれなくて、海外にいても、日本人の性格の弱点を、自分のなかにひしひしと感じたことが何度もありました。
そうやって暮らしていくうちに、だんだんと気が付いたことがあります。
その気づきを、自分のなかに取り入れるうちに、少しずつ、カセだったクセを、とっていくことができてきたのです。
それは、以下の3つの点でした。
1.英語は結論から話す。これを日本でも、アレンジしつつ、実践する。
英語って、I have a pen. のように、主語のあと、すぐに動詞がきてしまいます。
一方、日本語の場合は、最後にきますよね。
「私は、ペンを、持っています。」
文章が長くなれば、さらに、結論は先延ばしになります。
これは、私たち日本人が、何か話すときにもいえることです。
そして、これはこれで、文学で美文を生んだり、ビジネス交渉のテクニックだったりもするのですが、いま現在に、生きづらさを感じているときは、まず結論を出してみる、という思考をクセづけるだけで、物事の見方や対処法が、楽になります。
実際に、話すときにも、できるだけ結論を早く言うようにしてみる。
ただし、ストレートすぎる言葉は、日本では嫌われる傾向にあるので、注意してください。
この英文法の思考を、日本でもマネしていくうちに、他人を気にしすぎることが減ってきます。
2.日本人はアジア人の一人だと意識する。
英語の特性を、日本での生活シーンで活用しても、日本人は、西洋人ではないです。
ふだん、私たちは、単一民族の国で暮らしているので、東洋や西洋といっても、ピンとこないです。
むしろ、文化の面でいえば、日本にとっては、アジアの他国よりも、西洋の方に近いと
感じている人も多いのではないでしょうか。
ですが、海外に行けば、一目瞭然。
日本人はアジア人なのです。
東洋か西洋か、どちらかに分類するとすれば、それはどうしたって東洋側なのです。
これは、見かけのことばかりではないです。
京美の暮らしたNZのオークランドは、マルチカルチュアルな街、つまり多文化都市だったので、本当にさまざまな人種の人が暮らしていました。
そのなかで、肌の色や髪の色だけでなく、性質、性格、趣味趣向、傾向、そしてDNAレベルでも、日本人はアジア人なのです。
アジア人しか噛まないダニがいるくらいです。
ここでいうダニは、本物の虫のことです。
https://beauty-kireininaru4.com/flea-atopy-newzealand-1/
そんななかで、気が付いたことは、
他人を気にしすぎるのはよくなくても、
他人を思いやる文化というのは、
本当にすばらしいことなんだ、ということです。
要は、程度の問題。
このクセが、美点であることを思い出して、カセからクセへ戻すとともに、そこに誇りを持ってみる。
誇りとなる美点に、程度を加減すればいいのです。
そのさじ加減を思うとき、日本人はアジア人である、と、唱えるのは、脳をやわらかくしてくれるように感じています。
3.見た目はなんでもいい。ヒゲでもいい。
オークランドで思ったことがあります。
それは、あまりファッショナブルではないということ。
そう、おしゃれでは決してないですね・・
でも、それは、他人の目を気にしすぎない、ということにもつながります。
バスに乗っていたとき、一度、あらためて見まわしてみると、女性は、長い髪を結んでいる(ひっつめている)か、短く切っているか。
日本のおしゃれなカットヘアなんて、皆無でした。
でも、それでもいいんです。
逆に、すごいメイクをして、度肝を抜くようなカラーとデザインの服を着ていたとしても、別に誰も何も言いません。
好きなようにすればいいんです。
スーパーで、よく見かける、なじみの女性店員さんがいたのですが、あるとき、彼女の顔をみて、私は絶句してしまいました。
・・・ヒゲが生えていたんです。口元に。
産毛(ウブゲ)の手入れを忘れた、というようなレベルじゃないんです。
白人の彼女は、金髪だったので、黒ひげにくらべたら目立たない色彩でしたが、
ぴょーん、
と、ナマズのように伸びていて、もう、ほんとに、びっくりしましたよ。。
そう、これでもいいんです。
なんでもいいんです。本人がよければ。
今でも、色々と気にしすぎてしまうときは、このときの彼女のヒゲを、思い出すようにしています。
ヒゲでもいい。
・・・いかがでしょう、気が楽になりませんか?