- 投稿 2018/03/24
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大人の留学、ホームステイ体験のニュージーランド編です。
京美が住んでいたのは、北島のオークランド、NZではいちばん人口の多い街でした。
マルチカルチュアル、多文化都市のオークランドでは、ロンドンやニューヨークと同じように、さまざまな国の人たち、つまり人種がひしめきあっています。
オークランドでは、アジア人がとても多かったです。
インド人も多く、アイランダーと呼ばれる、ポリネシア諸島やクック諸島から移住してきた人たちもいました。
つまり、住んでいるのが、白人ばかりではない、ということです。
とはいえ、私がニュージーランドで体験した、ホームステイ先は2件で、どちらもホストは白人でした。
学校の友人たちのなかには、移民家族のホストファミリーにあたった人も少なくなかったのですが、この最初のお宅は、
テリボー!!terrible!!
・・・でした。ヒドイって意味です。。
オークランドでは珍しくない話なんですが、だからといって、ニュージーランドのホームステイがよくない、というわけではないですよ。
現に、その後の私のステイ先は、天国でしたから。
でも、まずはその地獄編についてお伝えします。
そもそも、オークランドに着いたときの天気が最悪でした。
まだ10月の頭だというのに、激寒だったのです。
薄手のカーディガンと、綿ジャケットくらいしか持っていなかったので、空港からシティに着いたとたん、
帰ろ。
と、思ったほどでした。
そして、そこからステイ先に着いたのです。
閑静な住宅街で、庭の柵にNZの鳥の絵が描いてあるお宅の隣、古いけどなかなかリッパなお家から、ホストマザーが出てきました。
歴代アメリカ大統領のおひとりと、同じ姓を持つ彼女は、小柄で赤い髪の毛の、目の大きな女性でした。
50代半ばくらいでしょうか。
通されたのは、古い木のベッドが一つ置いてあるだけの、天井ばかりがやたらに高い部屋でした。
木枠の窓は、立て付けがわるくて、すきま風が入ってきます。
さむい。。
マザーは、シャワーは9分以内にしてね、と言ってきました。
仕方ないですね、ここは日本ではないのです。
フライト疲れもあって、シャワーしたあとにお昼寝をしました。
マザーは、ランチ置いとくね、と、卵サンドを持ってきてくれました。
ところで、ホームステイのランチは、留学生が用意するものなのですが、週末のランチは、一応、ホストファミリーが用意することになっています。
でも、たいてい、とても簡単なものです。
だから、卵サンドは、まだ上等な方だといえます。
さて、目覚めてからリビングに行くと、洋服や物が、物盗りにあった後のように、そこら中に散らかっていたのです。
広いお宅にいたのは、マザーと、小型の犬が一匹でした。
今夜は出かけるので、ディナーは置いておくわね、と、テーブルの上にあったのは、
ハンバーガーのようなものだったでしょうか。
実は、この日の夜の食事のことを覚えていません。
でも、とってもシンプルで、量も少なかったのは事実です。
次の日の夜も似たような感じで、そのときに、
明日の夜(つまり3日目)には、あなたのために、ビッグディナーを用意するわね、
とウインクされました。
そう言われたら、ちょっと期待しますよね。
なんだか忙しそうなマザーだし、一人暮らしだとは、聞いていたことだったので、これはこれで仕方ないかな、とナットクしてはいました。
そして次の日の夜。
ディナーに出てきたのは、テイクアウトで買ってきた、アジアンテイストな丼ものでした。
白ご飯のうえに、キャベツの千切りとお肉ちょっとを炒めたものが乗っかっている、
というシロモノです。
え。。これがビッグディナー??
・・・はい。そうでした。
しかも、ずっと一人ぼっちのディナーです。
散らかっていた洋服や雑貨は、少しずつ移動していましたが、それでも雑然とした部屋の様子に変わりはありませんでした。
ちょうど、部分月食の夜でした。
テラスから空をながめて、やっぱりニュージーの空はきれいだな、と一人思ったのを覚えています。
まだ、私はこの状況を楽しめていました。
でも、これは始まりに過ぎませんでした。つづく。