大人の留学、ホームステイ体験のニュージーランド編です。

 

京美が住んでいたのは、北島のオークランド、NZではいちばん人口の多い街でした。

 

マルチカルチュアル、多文化都市のオークランドでは、ロンドンやニューヨークと同じように、さまざまな国の人たち、つまり人種がひしめきあっています。

 

オークランドでは、アジア人がとても多かったです。

インド人も多く、アイランダーと呼ばれる、ポリネシア諸島やクック諸島から移住してきた人たちもいました。

 

つまり、住んでいるのが、白人ばかりではない、ということです。

 

とはいえ、私がニュージーランドで体験した、ホームステイ先は2件で、どちらもホストは白人でした。

 

学校の友人たちのなかには、移民家族のホストファミリーにあたった人も少なくなかったのですが、この最初のお宅は、

 

テリボー!!terrible!!

 

・・・でした。ヒドイって意味です。。

 

オークランドでは珍しくない話なんですが、だからといって、ニュージーランドのホームステイがよくない、というわけではないですよ。

現に、その後の私のステイ先は、天国でしたから。

 

でも、まずはその地獄編についてお伝えします。

 

そもそも、オークランドに着いたときの天気が最悪でした。

 

まだ10月の頭だというのに、激寒だったのです。

薄手のカーディガンと、綿ジャケットくらいしか持っていなかったので、空港からシティに着いたとたん、

 

帰ろ。

 

と、思ったほどでした。

 

そして、そこからステイ先に着いたのです。

閑静な住宅街で、庭の柵にNZの鳥の絵が描いてあるお宅の隣、古いけどなかなかリッパなお家から、ホストマザーが出てきました。

 

歴代アメリカ大統領のおひとりと、同じ姓を持つ彼女は、小柄で赤い髪の毛の、目の大きな女性でした。

50代半ばくらいでしょうか。

 

通されたのは、古い木のベッドが一つ置いてあるだけの、天井ばかりがやたらに高い部屋でした。

木枠の窓は、立て付けがわるくて、すきま風が入ってきます。

 

さむい。。

 

マザーは、シャワーは9分以内にしてね、と言ってきました。

仕方ないですね、ここは日本ではないのです。

 

フライト疲れもあって、シャワーしたあとにお昼寝をしました。

マザーは、ランチ置いとくね、と、卵サンドを持ってきてくれました。

 

ところで、ホームステイのランチは、留学生が用意するものなのですが、週末のランチは、一応、ホストファミリーが用意することになっています。

でも、たいてい、とても簡単なものです。

だから、卵サンドは、まだ上等な方だといえます。

 

さて、目覚めてからリビングに行くと、洋服や物が、物盗りにあった後のように、そこら中に散らかっていたのです。

広いお宅にいたのは、マザーと、小型の犬が一匹でした。

 

今夜は出かけるので、ディナーは置いておくわね、と、テーブルの上にあったのは、

ハンバーガーのようなものだったでしょうか。

 

実は、この日の夜の食事のことを覚えていません。

でも、とってもシンプルで、量も少なかったのは事実です。

次の日の夜も似たような感じで、そのときに、

 

明日の夜(つまり3日目)には、あなたのために、ビッグディナーを用意するわね、

 

とウインクされました。

そう言われたら、ちょっと期待しますよね。

なんだか忙しそうなマザーだし、一人暮らしだとは、聞いていたことだったので、これはこれで仕方ないかな、とナットクしてはいました。

 

そして次の日の夜。

 

ディナーに出てきたのは、テイクアウトで買ってきた、アジアンテイストな丼ものでした。

 

白ご飯のうえに、キャベツの千切りとお肉ちょっとを炒めたものが乗っかっている、

というシロモノです。

 

え。。これがビッグディナー??

 

・・・はい。そうでした。

 

しかも、ずっと一人ぼっちのディナーです。

散らかっていた洋服や雑貨は、少しずつ移動していましたが、それでも雑然とした部屋の様子に変わりはありませんでした。

 

ちょうど、部分月食の夜でした。

テラスから空をながめて、やっぱりニュージーの空はきれいだな、と一人思ったのを覚えています。

 

まだ、私はこの状況を楽しめていました。

 

でも、これは始まりに過ぎませんでした。つづく。