- 投稿 2018/04/07
- 奈良ライフ
奈良に住む人には有名な、法華寺と海龍王寺。
ほっけじ、かいりゅうおうじ、と読みます。
ちょうど、秘仏公開中ということで、拝みに行って参りました。
絶世の美女観音ともいわれる、法華寺の十一面観音と、これまた秘仏の、海龍王寺の十一面観音。
どちらも奈良ならではの、間近さで、じっくり拝見してきましたよ。
近鉄大和西大寺駅から、バスに乗って、揺られること15分。
途中、平城京跡の、だだっ広い草原地を超え、畑と田んぼを抜けて、古くからの住宅街のなかに、両寺はひっそりと佇んでいました。
桜も見ごろを過ぎていて、ひな会式も済んだところ、人の入りも少なくて、秘仏を拝むためなら、ちょうどよい時期だったかもしれません。
ここは、平城京の北東に位置していて、もとは「藤原不比等」のお屋敷だったところです。
それより以前は、垂仁天皇から姓をたまわった、土師氏の氏寺だったらしいです。
https://beauty-kireininaru4.com/suinin-emperor-mausoleum-tajimamori/
土師氏、藤原家に敷地を譲っちゃたんですね。。。
この藤原不比等の娘が、大仏建立で有名な、かの聖武天皇の奥様、「光明皇后」です。
それで、このお寺を含む不比等邸宅は、後に、光明皇后邸となりました。
歴史のお勉強は、以上!
さっそく、秘仏を拝みに入りましょう。。
・・それほど大きくはないのに、
なかなか威厳というか、存在感のある十一面観音さまです。
絶世の美女という、なまめかしい立ち姿と、端正なお顔立ち。
ですが、私には、とても知性的なお顔のように感じられました。
光背には、蓮の花と、蓮の葉が、交互に1本ずつ差してあって、インドの女神さまっぽい感じがしなくもなかったです。
吉祥天女=ラクシュミー女神と、弁財天=サラスヴァティ女神ですね。
でも、十一面観音さまなので、頭上には、10の頭上面と頂上仏面が配されています。
体がほんの少し揺らいでいて、左足に体重がかかって、右つま先を伸ばしているような、動きのあるお姿です。
唇あたりに、朱色がほんのり残っていて、セクシーといえばそうですが、それでもやはり私には、叡智の美しさと映りました。
木造で、平安時代に作られたものです。
前述の光明皇后がモデルともいわれているようですが、同行いただいたガイドさんの話によると、制作された時代からみて、橘氏出身である檀林皇后がモデルではないか、ともいわれているようです。
やはり、この方にも絶世の美女伝説がありました。
檀林皇后は、平安遷都をした桓武天皇の次男である嵯峨天皇のお后です。
仏教に深く傾倒したり、政治にも関与していたので、才女だったのではないかと思います。
法華寺十一面観音さんは、肝っ玉母ちゃん的な光明皇后というより、
才知あふれるあまり、どこか厳しさも醸し出す、檀林皇后のイメージかな、、と思わないでもないです。
さて、法華寺の境内には、ほかにみどころの空風呂や、花壇の美しい庭園がありました。
この日はしだれ桜のほか、レンギョウに馬酔木、ミモザやアネモネまで咲き誇っていましたよ。
お隣の海龍王寺については、長くなりそうなので、次回にしますね。