人気の薬師寺で必ず見ておきたいポイントとは?

私、奈良京美が、薬師寺を訪れたのは、今年のお正月です。

 

とても寒かったのを覚えていますが、初詣客でとてもにぎわっていました。

 

3月に梅見に行ったときには、外国人の観光客も多く、古都奈良を好んで訪れる人が増えていることを肌で感じました。

 

そんな薬師寺の見どころをお伝えしたいと思います。

 

薬師寺は、近鉄電車西ノ京駅から、歩いて5分足らずのところにあります。

 

飛鳥時代に創建された際は、実は別の場所にありました。
平城京への遷都に伴って、現在の西ノ京へ移されたのです。

 

薬師寺は、天武天皇が、后の病気平癒が祈願して建立を発願しました。

その後、天皇自身が病に倒れてしまい、后の持統天皇と、孫の文武天皇が後を継いで完成させたといいます。

では、チケットを買って、中に入っていきましょう。

 

薬師寺の入口は、駅に近い北受付と、南門のある南受付があります。

 

私は、休ヶ岡八幡宮を通って、南から入ったので、南受付からの順路をご紹介しますね。

 

ちなみに、この八幡宮神社は、薬師寺が平城京へ移された後、9世紀になって九州の八幡宮から勧請されたものなので、お参りの順路としては、南から入るのが正式なのだと、プロのガイドさんから聞きました。

なお、神社の社殿は、豊臣秀頼の寄進によるものです。

 

①西塔

 

チケットを買う前から、どんと目に入ってくるのが西塔です。

 

色鮮やかな西塔には、青空を背景に、写真映えする美しさがあります。

 

あをによし 奈良の都は 咲く花の にほふがごとく 今盛りなり

 

この万葉集の歌は、小野老(おののおゆ)が、大宰府にて詠んだものです。

 

あをによし、とは、奈良の枕言葉で、青丹よし、つまり青と朱色が美しいという意味のようです。

冒頭写真の、薬師寺の西塔は昭和56年に再建されたものですが、窓の部分が青緑になっているのが見えるでしょうか。

この色と、に彩られた建物が、平城京のシンボルともいえるほど美しいことからきているようです。

 

ですが、さらに調べてみると、「あをによし」は奈良時代より前にも使われている言葉のようで、「よし」は「良し」の意味ではなく、助詞であり、つまり青丹の顔料が奈良でとれたからであり、この顔料を「馴熟(なら)す」ことから来ているのだといいます。

 

どちらにしても、この歌では、作者が望郷の思いで、平城京の都の建物を懐かしんだことでしょうし、その建物を、ここ薬師寺の西塔でも見て感じることができるのです。

 

なお、塔内には、中村晋也作の群像形式の釈迦八相像(平成27年)が祀られているようです。

 

②東塔

 

東塔は奈良時代に建立された三重塔が残っているのですが、残念ながら、解体修理中で、白いビニールシートがかかっています。

 

完成は、平成32年6月予定です。

 

③金堂

 

こちらは1976年の再建で、本尊の薬師三尊像が祀られています。

 

薬師如来像を中央に、脇侍には日光・月光菩薩が配されています。

 

日本の仏像彫刻のなかでも最高傑作のひとつと言われていて、確かに、他で見る奈良時代の仏像が、どこかボクトツな感じだったり、プリミティブな雰囲気であるのに対して、薬師寺の仏像には、もっと洗練された雰囲気があるように感じました。

 

また、仏像の裏にまわって、台座を見てみましょう。

 

台座には、ギリシアの唐草模様、ペルシャの蓮華模様、インドの力神裸像、さらに中国の四方四神すなわち玄武・青龍・白虎・朱雀がほどこされていて、奈良がシルクロードの終着点といわれる由縁となっています。

 

また、お正月3ヶ日限定で、吉祥天女画像も公開されます。

 

初詣で訪れたときは、この吉祥天女像を拝観するのが私の目的でした!

薬師如来の前に、ちょん、と置かれた絵画は、意外に小さく、色も茶けていて細部は見にくかったのですが、不思議な存在感があって見とれていました・・・

 

なお、1月4日~15日は、平成版の吉祥天女画像が公開されます。

当時の色を再現していて、こちらは美しい彩色を楽しめます。

 

④東院堂

 

工事中の東院を過ぎて、回廊を越え、さらに東に出ると、この東院堂があります。

 

ここに祀られている、聖観世音菩薩像(しょうかんぜおんぼさつぞう)は、必見です!

 

美しい、理知的なお顔立ちは、上品ながら高貴な迫力が感じられて、見ているこちらの背筋がしゃんと伸びるような気がします。

 

とても若いお顔だちですが、悟りに至った、成熟の若さを象徴しているのかもしれません。

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白鳳時代(飛鳥時代後期)の作とも、奈良時代初期ともいわれています。

 

⑤大講堂

 

金堂の奥にあるのが、この大講堂です。

 

こちらには、銅像三尊像(弥勒三尊像とも・白鳳時代)、仏足石(天平時代)、釈迦十代弟子像(現代)が祀られています。

 

⑥食堂・聚賓館

 

奈良時代の趣向を凝らした外観と、現代的な内観で復興された食堂(じきどう)は、僧侶斎食するための建物だったといいます。

 

北受付の聚賓館(しゅえいかん)では、ベンチが置いてあるので、休憩したり、お土産品を購入することもできます。

 

⑦玄奘三蔵院伽藍・大唐西域壁画殿

 

北受付を出て、さらに北へ進んだところにあるのが玄奘三蔵院伽藍です。

 

西遊記で有名な、三蔵法師こと、玄奘三蔵が祀られています。

 

玄奘は、法相宗の鼻祖。実際に法相宗を開いたのは、その弟子・慈恩大師のようですが、インドから膨大な経典を持ち帰って翻訳・研究を行った玄奘の偉大さから、宗祖とされているようです。

 

平山郁夫画伯が30年かけて制作した「大唐聖域壁画」を見ることができます。

 

梅の季節には、こちらの西出口に向かう道の梅並木が、小さいながらも美しくおすすめです。

 

 

⑧まとめ

 

以上、ざっくりと、観光で押さえておきたいビューポイントをお伝えしました。

 

薬師寺は、すぐ近くにある唐招提寺ともセットで回れます。

ぜひ、ゆっくり時間をとって訪れていただきたい、みどころ満載のお寺です。